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お知らせ 2025.04.24

JET、豪ディーキン大学との共同研究で「コーヒーかす」のリサイクルを研究

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ERS技術による有機廃棄物の高度リサイクルで農業に革新を

株式会社JETは、オーストラリアのディーキン大学と共同で進める「Recycling of marine, food and agricultural waste」プロジェクトの一環として、コーヒーかすを活用した肥料の開発に関する実験を行いました。(研究開始のお知らせはこちら/関連特許情報はこちら

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課題|扱いづらかった多孔質構造

従来、多孔質構造をもつコーヒーかすの再生品は、品質が低いと評価されてきました。それは均一な乾燥が難しく、発酵プロセスも不安定になって過発酵や腐敗が発生しやすいとされるためです。また、乾燥プロセスにおいても長時間の加熱を要し、エネルギーコストが高く、環境負荷も懸念されています。

実験|ERSで「過乾燥」した成果物の活用先を検討

本実験では、通常は燃料化されることの多いコーヒーかすを、JETが提供するERS技術を用いて処理し、農業および畜産業に活用する可能性を検証しました。特許微生物による高速発酵乾燥は、多孔質構造であっても短時間で均一に処理することができ、過乾燥状態の成果物は品質が保たれます。これを野菜農家と畜産農家に提供し、機能性を確認しました。

結果|コーヒーかすを活用した「肥料」による作物の品質向上

コーヒーかすを処理した肥料を使用した場合、トマトの口当たりや糖度の向上が確認されました。土壌の栄養バランスが向上し、従来の有機肥料と比較して生育期間の短縮も見られます。また、コーヒーかす由来の成分が、特定の雑草の発芽を抑制することが実証され、これにより自然由来の除草剤としての可能性が期待されます。

展望|コーヒーかすとクルミを組み合わせた「飼料」の開発

肥料につづき、コーヒーかすを処理する成果物として良質な飼料の開発を研究いたします。特に、これにクルミを組み合わせることで、牛のゲップ(メタンガス排出)を抑制する効果が期待され、畜産業の環境負荷低減に貢献する可能性があります。

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本プロジェクトは、オーストラリアのディーキン大学の「リサイクリング・クリーンエネルギー商業化ハブ(REACH)」との提携のもと、Waurn Pondsキャンパス内の「バイオファクトリー」にて実施されます。研究資金は、オーストラリア政府のTrailblazer Universities Programおよびビクトリア州の補助金によって支援されます。
オーストラリアの農業・酪農・漁業部門における有機資源の有効活用は、サーキュラーエコノミーの構築に貢献します。ERS技術による環境負荷の低減、オーガニック飼料・肥料の価格安定化によって、新たな市場機会が創出されることを意味します。今後の研究成果にもぜひご注目ください。